平成23年年頭にあたり 代表理事組合長 中奥武夫
新年明けましておめでとうございます。
組合員の皆様におかれましては、希望に満ちた平成23年の新春をご家族皆様とともに迎えられたことに衷心よりお喜び申し上げます。
昨年はむかわ町にとってバンクーバー冬季オリンピックでの銀メダル、世界的競馬レース凱旋門賞二着、そして締めくくりはノーベル化学賞受賞とお祝いムードが一年中続いた年となり、関係各位の皆様には改めてお祝い申し上げたいと存じます。
さて昨年の当JA管内農業は、春先からの異常気象に翻弄された一年でありました。初春の天候不順により、収穫量の先行きが懸念され、夏には高温が続き、豊作の期待が高まる中での高温多湿による各作物の病気の発生などをみました。出来秋には期待した収量が確保できないなど、個々の努力が報われない結果となりました。
一方管内を取り巻く農業情勢は、農政施策の新たな展開により農家組合員の作物選択が過去からの流れとは異なる動きとなっております。平成22年の米モデル政策の具体的実践年である本年の施策決定と畑作も含めた戸別所得保障制度の実施など、農政は過去から積み上げてきた制度設計を根本から変える流れとなっております。
本来は政策の効果実証を長期的な展望の元で検証し、個々の政策の手直しを繰り返す中での大局的な政策実現が求められているにもかかわらず、変化のみを求めて現場に目を向けることのない姿勢が今の混乱を招いていると言わざるをえません。
その様な混沌とする農政転換期において、政府は唐突にTPP(環太平洋連携協定)の参加表明をいたしました。それ以来、国内の農業を始めとする第一次産業関係者に大きな混乱と懸念を生じさせました。
この事態を迎えて、本JAむかわも含めJAグループ北海道は経済団体・消費者団体となどとともに事態の懸念される事柄をいち早く、道民各位に訴えるべく『全道総決起集会』を開催いたしました。
日胆管内では、昨年11月11日に道南・後志・石狩地区と呼応し、四地区合同緊急大会の開催を決行しました。全道各地ではこのTPP問題の行方如何で地域経済の崩壊につながる事態であるとして、それぞれ地区において反対集会を開催する事態となっております。
JAむかわでは全道のJAグループと呼応し、町民の皆様へのチラシの配布など啓蒙活動などを実施してきましたが、さらにむかわ町や町議会との連携を一層強め、強力な反対運動を今後とも展開いたしてゆきますのでご理解のほどをお願い申し上げます。
さて、本JA管内農業は過去から、水稲プラス花卉・蔬菜・畜産の複合経営選択を進めて参りました。その結果、多種多様な作物の生産によって災害や価格低迷等に対して耐えうる経営体となり、そのことが全道各地で販売代金の下落を迎える中で、本JAでは昨年の販売代金計画達成につながりました。
そして、その販売高を維持・拡大した組合員の営農努力とその複合経営転換推進に際しての行政支援の大きな支えがあったればこそ実現出来た事と深く感謝申し上げる次第であります。
さらには、昨年度からの町支援によるハウスの増棟対策補助により、100棟以上の生産拡大が確実となり販売高増大の可能性が更に高まりました。
しかしながら、個々の経営にあっては様々な困難な事柄が立ちはだかっており、解決手法が求められるなか、協同組合としての総合力を発揮し、この組合の組合員として自信をもって協同活動を共に歩む事で解決に向かうことだと改めて、訴えたいと存じます。
本年こそ、災害が無く、豊穣の出来秋をご家族や町民皆様と一緒に迎え感謝出来ることともに、更なる飛躍が出来る年となるよう心から祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。