中奥組合長・年頭挨拶
謹んで新年のお慶びを申し上げます。
本年も希望に満ちた新春をご家族お揃いで迎えられました事を、心よりお慶び申し上げますとともに、平素から農協事業各般に渡ってご理解ご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
さて、一昨年の東日本大震災による被害は、各方面の尽力により復興が徐々に進みつつありますが、農業への影響は計り知れないものがあります。燃油や生産資材等が高止まりのなかで、組合員の皆様は出来秋に大きく期待しながら取り組まれたことと思います。
昨年は気象変化の激しい年となり、春耕期は天候不順により農作業が遅れ、生育初期の低温により心配されました。8月以降の高温により回復傾向になりましたが、台風15号の影響により水稲などに倒伏が発生、さらに10月以降の長雨による収穫作業の遅れなど、大変ご苦労のあった年となりました。水稲は、倒伏により品質低下や収量減少を招きましたが、総じて平年作かそれを超える作柄となりました。
一般作物においては、小麦は収穫時期が遅れたものの平年並みの収量と品質を確保、小豆についても販売が堅調であったことから生産者手取りを確保することができました。しかし、収穫期の長雨により、大豆、ビートについては、減収や品質低下の被害が発生いたしました。
畜産は、生乳がほぼ計画通り、肉牛の素牛販売は若干の価格回復が見られ計画を超えることができましたが、肉豚については枝肉価格が低迷し計画を下回る結果となりました。
野菜や花きについては、高温の影響を受け、品質低下による減収、全国的な豊作基調、さらに食中毒や原発事故による風評被害から厳しい市況となり、総じて計画を下回る結果となりました。
厳しい生産環境でありましたが、農協総販売額としては、米と小豆の販売が計画を大きく上回ったこともあり、当初計画を超える42億円の実績となりました。
このような成果を上げることができましたのは、組合員皆様の生産に対する熱意と努力の賜と衷心より敬意を表し、感謝申し上げます。
一方農業情勢は、TPP交渉参加に向け、事前協議が本格的に開始されようとしており、予断を許さない状況にあります。TPP参加となれば、農業をはじめ医療、保険、労働など、多くの分野にわたって悪影響を及ぼし、この国の形を一変させる可能性のあることから、JAグループはもちろんオール北海道として参加阻止に向けて運動して参りました。今後もJAグループ北海道は引き続きTPP交渉参加を断固阻止すべく強力な運動を展開して参ります。
このような国際情勢を踏まえて、日本農業も様々に変化しております。国は、「食料・農業・農村基本計画」等に基づき、諸施策を推進していますが、全国的な担い手不足の深刻化、農業者の高齢化など、厳しい状況に直面し、食と農林漁業の再生は待ったなしの課題となっています。また、平成23年に農業者戸別所得補償制度が本格実施されましたが、農業者の所得向上につながるよう見直しが必要であります。
本町農業につきましては、的確な情勢判断をしつつ、農業者が将来に希望を持って安心して営農ができるよう万全を期していかなければならないと思っています。さらに消費者に信頼される安全、安心な農畜産物の生産と供給に努め、地域に根ざしたJAとして一層力を入れてゆく所存でございます。
農協運営につきましては、急テンポで変化する経済情勢や法改正等厳しい環境となっておりますが、組合員の深いご理解とご協力、さらに各関係機関のご指導ご支援を賜り、計画に沿った経営状況で推移しており、皆様方に改めて深く感謝申し上げます。
農業農協を取り巻く環境は依然として予断を許さない情勢でありますが、昨年の第27回JA北海道大会で決議した「持続可能な北海道農業の実現」「次代を担う協同の実践」をしっかりと念頭におき、役職員あげて計画を着実に推進し、経営の健全化を図り強靭な組織基盤の確立を目指して組合員の付託に応えるよう努力して参ります。
最後になりましたが、本年も豊穣の秋を迎えられますことと、皆様方の益々のご健勝を心からご祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。