年頭あいさつ
組合長 長門 宏市
新年明けましておめでとうございます。
組合員の皆様を始め、ご家族の皆様には、希望に満ちた新春をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。また、日頃より農協事業全般にわたりご理解ご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
昨年を顧み見ますと、全道的には、集中豪雨や風雪による被害がありましたが、本町においては、春耕期に多少の天候不順があったものの、総じて天候に恵まれた年でした。
水稲においては、管内の作況指数は107となり豊作基調でありましたが、全道的に、乳白粒や心白粒の被害が大量に発生し、当地域も例外ではなく調整に苦労した年でした。等級は色彩選別機等で確保したものの、米の過剰感から、米価は過去にない水準になり、数量は計画を上回りましたが、販売額は計画に届きませんでした。
小麦については、収穫時期の天候を心配いたしましたが、結果的に前年を超える、収量・品質を確保することができました。
甜菜については、基準糖度の見直しになどにより作付面積が確保でき、また糖度、収量とも計画を上回ることができました。
大豆・小豆については、全般的に作物の生育が進み収穫作業が集中しましたが、無事作業を終えているところであります。
花卉については、栽培戸数の減少等により計画に届きませんでしたが、共同選別の取り組みが前年より始まり、今後に期待するところであります。
畜産については、和牛の素牛販売が好調な事により計画を上回る事が出来ました。
野菜については、作物により若干差はありましたが、大きな天候不順もなく順調に出荷されました。販売価格は、全国的な豊作基調により相場低迷が続いたところであります。しかし、お盆明けから相場が持ち直した事から、計画を上回る21億円の販売額となる見込みです。特に昨年、増設と改修したトマト共同選別施設により、繁忙期の混雑緩和と鮮度や品質維持に大きな効果があり、農業所得の向上に寄与される事を、期待しているところであります。このことは、多くの関係機関のご支援の賜物と改めて感謝申し上げるところであります。
農業の生産や販売環境は、天候に大きく左右されるところですが、農畜産物の総販売高は、計画を上回る45億円の見込みとなりました。
このような成果を上げることができましたのは、組合員皆様の栽培に対する熱意と努力の賜と敬意と感謝を申し上げます。
一方、農業を取り巻く情勢は、極めて厳しいものがあります。
TPP交渉では、今だ詳細な情報もないまま、秘密裏に交渉が進行し、予断の許さない不透明な状態が続いております。
国内においては、政府の諮問機関である「規制改革会議」において、中央会の圧力により単協の自由な活動が阻害されているという、間違った認識の基で中央会の解体や、ホクレン等の系統連合会の株式会社化を突然に打ち出したところであります。
これら規制改革会議の動きは、農業の役割や現場の実態に関する基本的な認識が十分でないことに大きな原因があり、北海道農業の取組や実績を十分踏まえた議論がなされるよう強く働きかける必要があります。
しかし、農家組合員が望む姿に向けて改革をしなければなりません。
「JAグループ北海道改革プランただき台」について、繁忙期でありましたが皆様に協議頂いたことに感謝申し上げますと共に、貴重なご意見を、中央会に報告したところであり、これにより、先月「JAグループ北海道改革プラン実施計画」が示されたところであります。課題は山積しておりますが、我々農協は、組合員皆様方の経営安定の礎となるべく最大限の努力を傾注していかなければなりません。
ここに改めて、ご理解とご協力を宜しくお願い申し上げます。
農協運営につきましては、経済情勢が急変する中、組合員の深いご理解とご協力、さらに各関係機関のご指導ご支援を賜り計画に沿った経営状況で推移しており、皆様方に改めて深く感謝申し上げます。
従来より懸案でありました、「整備センター」の車両整備の事業見直しについて、一定の方向を示させて頂いたところでありますが、今後さらに具体的な取り進めを図って行かなければならないと考えています。また、国内外の情勢や規制がめまぐるしく変化しており、地域農業やJA組織基盤の更なる安定化を図られるよう、自己資本の充実の課題を乗り越えていくという強い信念が必要であります。
農業・農協を取り巻く環境は、依然として予断を許さない情勢でありますが、「協同の力」を結集し、農業者が将来に希望を持ち安心して営農に取組、次世代が夢と希望の持てる持続可能な農業を実現することを念頭におき役職員あげて計画を着実に推進し、経営の健全化を図り、強靭な組織基盤の確立を目指して組合員の付託に応えるよう努力して参ります。
最後になりますが、本年も豊穣の秋を迎えられますことと、皆様方の益々のご健勝を心からご祈念申し上げ年頭のご挨拶といたします。