震災乗り越え米初検査
営農部検査場で10月3日、昨年より1週間遅れの米の初検査が行われた。9月6日の震度6強の地震でJAの乾燥施設は大きな災害を受けた。受入に間に合わせるため全力で復旧に努め、完全ではないが何とか受入できるまでに復旧した。毛利大和農畜産課長は「まだ刈り取りは始まったばかりでこれから本番を迎えるので、なんとしても生産者に応えたい」と話した。被害を受けたのはJAばかりではなく、乾燥施設が使用できなくなった組合員も多い。
そんな状況下で米を初出荷したのは田浦地区の奥村義正さんだ。JAむかわ営農部の民間検査員高橋陽二販売次長の検査で、出荷した「ゆめぴりか」336袋(30kg)が全量1等低蛋白米となった。清野秀明営農部長は「震災でセレモニーは中止しようとも考えたが、前を向いていかなければと、祝いの日を迎えた」とはじめに挨拶した。震災を乗り越え出荷した奥村喜代子さんにむかわ町渋谷昌彦副町長は「米処むかわで頑張って初出荷できたことは明るい話題。全量1等米おめでとう」と祝福。JAむかわ長門組合長は「震災の中でも無事に収穫出荷できる喜びはひとしお。これから出荷する生産者も新たな気持ちで取り組んでもらいたい」と激励と期待を込めた。1等米初出荷を記念して奥村さんと関係者が笑顔で記念撮影をした。毎年初出荷で1等米の奥村さんは、今年も4ヘクタールすべて「ゆめぴりか」を作付した。「天候不順と収穫前に台風、震災と心配したけれど、収量は例年より少ないけれど、出荷できて嬉しい」と話した。高橋次長は「開花時期も大幅に遅れ、台風、地震の災害があったが収穫期を迎えることができた。刈り取り適期や調整指導に万全を期し、品質、低蛋白米出荷を期待している」と話した。
JAむかわでは9名の検査員と助手4名を配し、各職場から男性職員が交替で荷下ろし、はい積み作業を行う態勢を整えた。営農部では乾燥機を使えなくなった生産者の状況を予測し、万全の態勢で臨むことにしている。