長門組合長・年頭挨拶
新年あけましておめでとうございます。
組合員の皆様には、ご家族お揃いで輝かしい令和5年の新春をお迎えのことと、心からお慶び申し上げます。また、農協事業運営に対しご指導ご協力、ご支援を賜りましたことに役職員一同、心から感謝と御礼を申し上げます。
昨年を振り返りますと、新型コロナウィルスの感染拡大はワクチン接種の効果により減少傾向となったものの感染は終息せず、冬に入りインフルエンザとの同時流行が懸念されているところです。しかし、国や北海道による旅行支援等の経済対策や外国人観光客の入国緩和により、ようやく農畜産物の需要が回復する明るい兆しが見えてきました。
また、ロシアのウクライナ侵攻の長期化は、穀物や原材料の高騰を招いており、世界経済は急激にインフレの方向に進んでおります。さらに、日銀がゼロ金利政策をかたくなに維持しているため、海外との金利差が広がり、円相場が急落したことも、国内物価高の一因となっております。
大幅に価格上昇した肥料や飼料、燃料については、国や北海道、またむかわ町の緊急支援の対策を頂き感謝するところであります。
しかし原材料不足や生産資材高騰の収束が見通せず、さらに世界的に飢餓人口の拡大が危惧されており、農畜産物の国内生産の重要性が増しております。
農業を取巻く情勢については、水田活用直接支払い交付金の見直し、さらに資材価格の高騰問題など、今まで経験したことのない大きな課題に直面しておりますが、「北海道農業」が担う社会的役割を農業者以外の方に理解頂くよう努めるとともに、将来にわたり農業者が安心して営農を続けられるよう、引き続き関係機関やJAグループが一丸となり、取り組みを行って参りますので、ご理解・ご協力をお願いいたします。
さて、昨年の天候については、2月22日の記録的な大雪、また7~8月の平年を大きく越える降水量、さらに8月16日の大雨、11月には局地的な激しい突風により、農業施設やビニールハウスの倒壊・破損、作物の生育悪化など、大きな被害を受けました。あらためて被害に遭われた皆様に、心からお見舞いを申し上げます。
このような中で、水稲の作況指数は、北海道「106」、胆振・日高「105」と発表となりました。しかし、未熟粒が多く、製品歩留まりが悪いため、豊作基調の実感がわかず、またJAグループの販売努力で昨年より米の概算金は上がったものの、前年産米の在庫過多が続き、販売環境は依然と厳し状況であり、販売額は前年に対し80%の見込であります。
秋小麦は、大雪の影響を心配しましたが全量1等となり計画を上回る実績となりました。しかし春小麦や豆類については天候不順や大雨の影響により、収量や品質が低下し、畑作物全体としては前年の販売額に対し70%の見込であり、組合員皆様には一年の努力が報われない年となってしまいました。
露地野菜は、大雨の影響により病気発生や品質低下など、甚大な被害があり、販売額は前年に対し95%の見込であります。また施設野菜や花きは、高温や天候不順、また集中豪雨など肥培管理が難しい天候でしたが、前年実績や計画を越えており、結果として蔬菜と花きを合わせた販売額全体は、昨年を上回り28億円を越える見込みであります。
畜産は、飼料価格が円安により高止まりしており、また販売金額も前年に対し95%の見込みであり、厳しい状況であります。
天候に大きく左右された厳しい年でありましたが、農業の農畜産物販売額は48億円を越える見込みとなりました。このことは、組合員の皆様の栽培に対する熱意と努力、また関係機関のご支援の賜と衷心より敬意を表し、感謝申し上げます。
農協事業については、組合員皆様が大変お忙しいなか、地区別懇談会や臨時総会にご出席を頂きありがとうございました。臨時総会で提案した「多目的農業倉庫の新設について」は、乾燥調製施設の効率的利用や農産物集出荷体制の整備に必要な施設であり、建設についてご理解をお願いするとともに、令和5年5月より工事を予定しておりますので、営農部構内の事故防止へのご協力をお願いするところです。
今後も農業・農協を取巻く情勢は変化が激しく不透明でありますが、鵡川農業発展を図り、組合員の営農と生活をるため、3カ年計画で掲げている「農畜産物販売額の恒常的50億円以上」「組合員資本増強」「農協結集力向上」の3つの目標を着実に進めてまいりますので、一層のご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
農協は「組合員の組織」であり、自ら出資し、自ら利用することで、総合農協として組合員個々の経営に寄与するものであります。北海道農業は、厳しい自然環境を乗り越えてまいりました。先人たちが、協同の力で困難を乗り越え、引き継いできた北海道農業を、私たちもしっかりと繋いでいかなければなりません。そのためには、胆振東部地震やコロナ禍で経験したように、一人一人が自立と強調の考えを強く持ちながら、組合員と農協、連合会が一体となっていけば困難を克服できるものと信じております。
今後も役職員あげて、組合員皆様の負託に応える農協を目指し、諸課題に果敢に取り組み、地域農業の振興と経営の健全化を図り強靱な組織基盤の確立を目指し、努力して参りますので、皆様の積極的な農協事業のご利用をお願いいするところです。
最後になりましたが、今年一年が災害が無く、豊穣の出来秋を迎えられますことと、皆様の益々のご健勝を心から祈念申し上げて新年のご挨拶と致します。